野村不動産が掲げる「BE UNITED構想」とは、“自分たちが暮らす街への愛着や誇りが、街をより良く育んでゆく原動力になる”という「シビックプライド」の考え方を基に生み出された街づくり構想です。第1号案件の「プラウドシティ日吉」では、当社が保有する施設の一部を地域に開放し、イベントや習い事の場として活用していただくことで、地域全体のコミュニティ形成を促進。第2号案件の「亀戸プロジェクト」でも、街区計画の段階から地域の方々と「街づくり協議会」で議論を重ね、敷地と街との連続性や広がりを大切にした開発を進めました。マンション事業などを通じて培われてきた“地域や住民の声を聞く力”を発揮しながら、地域密着・住民が主体の街づくりを行っています。
「KAMEIDO CLOCK」(左)と、「プラウドタワー亀戸クロス」(右)
経済産業省「超高層ZEH-M実証事業」※プラウドタワー亀戸クロス ゲートタワーのみ
※JV事業
東京都江東区亀戸において、総敷地面積22,989.26㎡の用地を開発。
住宅棟「プラウドタワー亀戸クロス」と商業施設「KAMEIDO CLOCK(カメイドクロック)」が、2022年春に完成しました。
本敷地は1939年~1993年まで、モノづくりの拠点として、第二精工舎(現・セイコーインスツル)の東京工場が存在していました。その後、工場閉鎖に伴い、地元の方にも愛される商業施設「サンストリート亀戸」に生まれ変わりました。イベントの聖地、アイドルの聖地、コトづくりの拠点として地域の方に長らく愛されていましたが、2016年3月31日に惜しまれつつも閉館となりました。
開発前から地域の課題としてクローズアップされていた「生活利便施設の不足」、また「児童数の急増」を解決すべく、行政や地域の方々と協議を重ねて「亀戸六丁目まちづくり方針」を策定。地域共生という大きなテーマの下、“地域の抱える課題を解決し、多様なコミュニティの形成や地域の未来を見据えた価値創出を目指す「住」「商」「学」「広場」の複合開発”という街づくりの基本コンセプトが定まり、それぞれの計画における柱となりました。
「自分たちが暮らす街への愛着や誇りが、街をより良く育んでゆく原動力となる」という「BE UNITED構想」の考え方は、亀戸プロジェクトにおいても具現化。かつて同じ場所に立地していた商業施設「サンストリート亀戸」が担っていた、地域の方々が集い、交流する場としての機能を受け継ぎ、敷地内に設けられた広場では大小さまざまなイベントを開催し、住まう人・働く人・訪れる人の交流を促進しています。また、「BE UNITED構想」を実現するための仕組み「Be ACTO」を、亀戸プロジェクトにおいても導入。多目的スペース「まちのリビング」では、お子様を安心して遊ばせることができる部屋や、リモートワーク用の個室ブースなど、ご入居者様のみならず地域住民の皆様にもご利用いただけます。こうした新旧住民をつなぐ新たな地域コミュニティづくりのお手伝いを通じて、「暮らしの中の小さな豊かさ」創造に取り組んでいます。
野村不動産として過去最大級の規模となる商業施設には、これまで展開してきた既存のブランド名を冠することなく、新たに「KAMEIDO CLOCK(カメイド クロック)」と命名しました。このネーミングには、「地域に住まう皆様と共に“亀戸”の記憶を紡ぎ、新しい“時”を刻む生活創造拠点を目指す」という私たちの想いが込められています。食品や衣料品、家電などの大型店舗を核に、衣食住を包括的にサポートできる多彩な店舗を展開しております。また、敷地内には、地域に開かれ、イベントなどを催すことのできる広場も配置しています。2022年春開業以降、年間600回を超えるイベント開催や、デジタル教育の取組みなど地域と繋がる様々な取組みを実施いたしました。これからも、独自の魅力で地元に愛され続ける商業施設を目指してまいります。
住宅棟「プラウドタワー亀戸クロス」には、野村不動産の床空調システム「床快full空調」を採用。高断熱化や省エネエアコン・全熱交換型換気の採用により、省エネ性を高めつつ、住戸全体を快適な温度に保つことで居住性も高めています。また、キッチンの位置を変えられることでメンテナンス・更新性を高めた「Mi-Liful(ミライフル)」、部材の高耐久化で大規模修繕の周期を延ばす「アトラクティブ30」、マンション全体のエネルギーをマネジメントするシステム「enecoQ(エネコック)」など、環境負荷低減を見据えた取組みが行われています。また、2020年には「プラウドタワー亀戸クロス ゲートタワー」が、経済産業省「超高層ZEH-M(ゼッチ・マンション)実証事業」に採択されました。
商業棟「KAMEIDO CLOCK」においても、環境負荷低減に向けて、様々な取組みが行われています。エネルギー供給では、コージェネレーション(熱電供給)システムを導入。商業施設で使用する電力を施設屋上に設置した発電機で生み出し、その際に生じる熱を回収して給湯や暖房に利用しています。このシステムの採用によってエネルギーが効率的に使用でき、CO2排出量の削減効果が期待できます。また生物多様性創出への取組みとして、敷地全体で緑化率40%を実現すると共に、建物の壁面緑化や屋上緑化も実施し、緑量を確保しています。